2001年4月1日に「電子署名法」が施行され、電子署名が手書きの署名や押印と同様に通用すると法的に認められました。
そのことにより、大手企業やベンチャー企業などから続々と電子署名ツールを導入されています。
電子署名ツールを導入することによって、どんなメリットがあるかと言いますと以下のことが考えられます。
- 契約手続きの簡略化
- セキュリティの強化
- 消耗品のコストカット
ただ、法改正の後に、電子署名ツールがいくつかリリースされたことにより、どれを使えばいいの?と思われている方も多いと思いますので、コチラの記事で電子署名について、そして電子署名ツールのそれぞれの特徴をご紹介していきます。
電子署名ツールなどは、月に何回もやり取りするような企業が使う印象ですが、今は個人事業主やフリーランスの方も導入されています。理由としては、大小にかかわらず、「契約書や情報が漏れた」、「自宅保管していた書類が火災で焼失した」なんてこともあり得るわけですので、オンラインで管理する方が安全と考えられる人増えているからですね。
月額で利用料金がかかるものから、保管費用¥10~/1通のような、取引が少ない方でも合うツールもありますので、あなたの会社に合うものが見つかると思います!
こんな方におすすめ
- 電子署名サービスに興味はあるが、よくわからない方
- コストが分からず、導入を検討中
- 年間数回の電子署名でコストをかけたくない方
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電子署名とは?
電子署名とは、指定認証局が発行する証明書であり、「その電子文書が正式なものであり、かつ改ざんされていないことを証明するもの」です。
今まで紙の書類では印鑑やサインを用いて、その書類が正式なものであり、改ざんをされていない原本であることを証明していましたが、2001年4月1日に「電子署名法」が施行され、電子署名が手書きの署名や押印と同様に通用すると法的に認められました。
PDFやJPEGなどのデータは簡単に改ざん・偽装ができてしまうため、契約書として効力を発揮できないのですが、電子証明書は、「電子証明書」と「タイムスタンプ」の付与が必要になります。
電子証明書はパソコン本体やICカードなどの物体に格納されており、インターネットを経由した第三者による操作では盗まれることがありませんので、ID・パスワードより安全性が高いと言えます。
タイムスタンプとは電子、電子データによる契約書等に付与する「スタンプ」です。
タイムスタンプの役割は、押された時刻に書類が存在している『存在証明』と、時刻以降に改ざんされていないことを証明する『非改ざん証明』です。
書面契約と電子契約の違い表
書面契約 | |
---|---|
書類媒体 | 紙への印刷 |
署名方法 | 記名押印、署名 |
日時の証明 | 日付記入、確定日付の取得 |
確認方法 | 原本の郵送、持参による受け渡し |
保管方法 | 倉庫やキャビネットによる原本の物理的な保管 |
情報漏洩時の危険性 | 高い |
電子契約 | |
---|---|
書類媒体 | 電子データ |
署名方法 | 電子署名 |
日時の証明 | タイムスタンプ |
相互確認 | インターネット上での電子データによる受け渡し【電子証明】 |
保管方法 | 自社内のサーバーや外部のデータセンターによる電子的な保管 |
情報漏洩時の危険性 | 低い(暗号化文書保管の為)※1 |
※1 電子署名には、主に「公開鍵暗号方式」という技術が利用されており、第三者が文書を入手しても秘密鍵がない限り解読できないので、暗号化された文書が漏えいすることはありません。
電子署名の導入メリット
今までの、オフラインで行っていた業務をオンライン化する事に抵抗を感じてしまうかもしれませんが、電子署名の導入メリットをまとめてみましたので、あなたの会社は以下にどのくらいのコストをかけているのか、管理面は大丈夫か☑チェックしてみてください。
契約書を電子データ化できる |
紙だと管理スペースが必要ですが、電子化されるとスペースが不要になる。そして検索するのも簡単! |
契約業務スピードがアップできる |
従来までは、「契約書作成→押印→封入→郵送→押印→返送」と契約書を交わすためにかなりの手間が必要でしたが、電子化するため、メールの送受信で完了!【業務時間:1日】 |
セキュリティが高くなる |
暗号化書面での保管となるため、万が一文書が他社に渡っても解読できないようになっている為、安全性が高い! |
収入印紙代が削減できる |
電子契約書は印紙税が課税されないため、収入印紙代を削減することが可能! |
ペーパーレス化が促進できる |
印刷代やインク代も大幅に削減することが可能! |
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電子サインとの違い
よく間違えるのが、電子署名と電子サインの違いです。
電子サインの方が身近なサービスで、あなたも一度はされたことがあると思います。
例えば、携帯電話の購入時や、ジムなどに入会する際に、説明を受けた後、タブレット端末経由で申込書へサインをした。といった経験はありませんか?
これが電子サインです。
電子サインと電子署名との大きな違いは、第三者機関を介さないことです。
見積書のやり取りなど、日常的に複数回発生する業務への利用には電子サインが利用されています。
【無料】電子署名ツールについて
電子署名ツールを利用する場合は、「個人的なやり取り」や「中小企業間におけるやり取り」などであれば問題ないのですが、大企業における”機密情報”のやり取りなどに用いるのは危険です。
- 対応していないファイル形式がある可能性がある。
- 信頼できる認証局にIDを発行してもらう必要がある。【署名者身元保証の為】
- 有料ツールに比べ、改ざんされるリスクがある。
【有料】電子署名ツールについて
結構な数の電子署名ツールが、リリースされていますが、今回は、大手&人気の電子署名ツールをご紹介します!
Docu Sign
~大・中企業向け~
料金は公開されておらず、問い合わせをして、その人に合ったプランを紹介してくれるようです。
特徴
- 初月30日間無料(無料プランなし)
- スマホやタブレットにも対応している
- 同社のサービス(電子決済サービス)などとの連携が可能
- 署名捺印・容認・回覧
- 多言語対応
- 容量無制限
- 外部連携可能(350以上のサービスと連携)
- アクセス権機能あり
- 対応形式【word、PDF、Excel、PPT、画像ファイル】
「みんなの電子署名」
~個人・中小企業向け~
最大の特徴は、月額費・初期費用などが無料。機能制限なし。かかるのは1年以降の書類保管料¥10/通のみ!
1,000通でやっと、月額¥10,000になります。他ツールでは、1通送信するのに、¥200の料金が発生しますが、「みんなの電子書籍」はそういった料金が一切ないのが最大の特徴です。
1,000通ほどの契約を1年で達するような企業には不向きかもしれませんが、数年かかりそう。という方にはコチラのツールがおススメです。
特徴
最高水準の電子署名サービス
有償サービスは1年以上の文書保管料金のみ
機能制限を撤廃、すべての機能をみんなが使える
通信と保管の両面で最高水準のセキュリティを提供
1年以上文書を保管した時も、圧倒的低コスト
アクセス権機能あり
対応形式:PDF
GMO Agree
~大・中企業向け~
法的効力が強い書類が作成可能できます。契約印・実印での電子署名が必要な場合はこちらのサービスがおススメです。
特徴
- 署名捺印・容認・回覧
- 契約印と実印(法的効力がある)電子署名に対応
- GMOGlobalSignと連携(トップレベルの連携)
- 外部ツールとの連携可能(基幹システムやCRMなど)
無料プラン
費用 | 無料 |
1文書送付 | |
ユーザー数 | 1名 |
署名数 | 10件以下 |
備考 | 契約印タイプ ファイル形式:PDF |
有料プラン
プラン名 | 契約印&実印プラン | エンタープライズ |
費用 | ¥8,800 | 要問合せ |
1文書送付 | 契約印¥100/実印¥300 | |
ユーザー名 | 無制限 | 無制限 |
署名数 | 無制限 | 要問合せ |
契約印タイプ | 契約印(法的有効) | 実印(法的有効) |
備考 | ファイル形式:PDF | ファイル形式:PDF |
\ 問い合わせする /
クラウドサイン
~大・中企業向け~
弁護士ドットコムが運用しているサービスです。多数の大手が利用しているサービスの一つです。有料プランでも機能が充実している分、費用感としては高い方です。
特徴
- 外部連携可能(CRMなど)
- Slack連携
- IPアドレス制限
- チーム・部署での個別管理が可能
- 高度な管理機能
費用 | 無料 |
1文書送付 | 5件まで |
ユーザー数 | 1名 |
署名数 | 10件以下 |
備考 | 契約印タイプ |
有料プラン
プラン名 | スタンダード | ビジネス |
費用 | ¥20,000~ | ¥100,000~ |
1文書送付 | ¥200 | ¥200 |
ユーザー名 | 無制限 | 無制限 |
署名数 | 無制限 | 無制限 |
備考 | ファイル形式:PDF | ファイル形式:PDF |
NINJAサイン
最大の特徴は、送信料が0円なので書類送信件数が多ければ多いほど得をする料金体系です。登録アカウントに応じてプランが変わるので、少人数で、多数の契約書を取り交わす場合はコチラのツールもおススメです。
特徴
- 紙契約書も一括管理可能
- コメント履歴機能あり
- 文書の編集も可能
- フォルダ権限設定が可能
無料プラン
費用 | 無料 |
1文書送付 | 月5件まで |
ユーザー数 | 1名 |
署名数 | 10件以下 |
備考 | 契約印タイプ |
有料プランはコチラ→「NINJASign 有料プラン一覧」
電子契約できない書面がある?!
書面による契約が法律で義務付けられている案件があります。例えば、「投資信託契約の約款」「定期借地契約」などです。締結する契約が電子契約できるか否かを事前に確認しておきましょう。ただしこういった文書を用いるのは、一部の不動産・投資信託の場面のみです。一般の企業で扱う大多数の書類では、書面での契約が可能です。
あなたに合う電子署名ツールを探す!
サービスにもそれぞれ特徴がありますので、あなたの電子契約や、契約金額、書類の郵送費や管理費などの収入印紙などのコストを一度確認していただき、一番あなたに合う商品を選びましょう!
月に5件以内のやり取りしかしない方 | NINJASignがおススメ!無料機能をフル活用! |
契約数1,000件ほどになる年数が数年後 | みんなの電子署名がおススメ! |
契約書に関わる人数が多い | cloudSignがおススメ! |
少人数でアカウントを管理するが契約数が多い | NINJASignがおススメ! |
自社システムや外部システムの連携したい | cloudSignやGMOagreeがおススメ! |
導入に際して意外と重要なポイントが、「送信料」です。大体¥200前後の料金が年間にしたときに結構な費用となる可能性がありますのでご注意ください。